万が一の災害時に備えて備蓄すべき食料といえば、缶詰などの常温の保存食品だけを思い浮かべる人も少なくないと思います。しかし、実は冷凍食品も隠れた救世主になり得るのです。
災害時、公的な支援物資はすぐに届くとは限りません。また公的機関の備蓄の量や種類は多くないのが事実です。
お店が開いていたとしても、商品がすぐ無くなる可能性もあります。
買い物に行けなくなっても安心して食生活を送ることが出来るように、一緒に暮らす家族の人数に合わせた備蓄品は用意しておきたいですよね。
災害直後は、電気、水道、ガスといったライフラインは停まってしまったり、利用が難しくなりますが、ライフラインの中でも比較的早く復旧すると言われているのが電気です。
※1995年の阪神淡路大震災ではライフラインの復旧にかかった日数は、電気で2日、水道で37日、ガスで61日、また、2011年の東日本大震災では、電気で6日、水道で24日、ガスで34日となっています。
その電力を利用した冷凍庫は、実は冷凍効率を高めるために断熱性が非常に高く、停電後もしばらく保冷庫として食品の温度を保つことができるのです。
冷凍庫の中身はどれだけもつの?
停電で供給出来る冷凍能力は無くなっても、保冷庫として食品を一定時間保つことが出来ます。
扉を開けなければ、4時間程度なら冷凍食品は凍ったままの状態が保てると言われています。製氷機の氷も、扉を開けずにおけば、7~8時間は溶けずに残っています。
冷凍庫の保冷状態は、冷凍庫の中の食材の量によっても異なりますが、隙間なく食材が詰まっているほうが、凍った食材が互いに保冷材の役割を果たし、保冷効果が高く、長持ちします。
また、停電時、冷蔵庫の食品を冷凍庫内の保冷剤(またはそれに代わるような凍った飲料など)を密着させて冷やすことで、食品の冷蔵保存の時間をいくらか伸ばすことも可能です。
普段から出来る対策
冷凍庫には、食材を詰め込めるだけ詰め込んでおいた方が、停電時の庫内の温度上昇を防ぐことができます。空いた隙間にはペットボトルを入れておくのがおすすめです。(※炭酸飲料は冷凍すると大きく膨張し、破裂する恐れがあり危険ですので避けてください)。凍らせたペットボトルは、溶けた後も飲料用としても使えますので、無駄にすることもありません。
食材を隙間なくたくさん詰めておくのが保冷効果を保つポイントです。
調理済みの食料は、解凍された時点でそのまま食べることも出来ますし、電気が復旧した時には、電子レンジで温めて食べることも出来るので、食料の確保が難しいような状況の時には、大変便利な救世主です。
家庭で無理なく出来る、備蓄食料の工夫
災害時は普段の生活とことなり、不便な生活からストレスを覚えたり、不安感も緊張感も覚える状況です。そんな中、普段食べているような食材やなじみの味が活力源にもなったりするものです。
早く復旧する電気の特徴を活かして、電子レンジで調理できる冷凍食品の備蓄は、万が一の備えとして普段から心がけたいですね。
※一般財団法人 日本気象協会